すーさー備忘録

ちょこちょこと。

2020/11 聴いたアルバム

 

コロナ禍で輸入盤の入荷が軒並み滞っていること、おまけSDカードの音楽データが吹っ飛んで転送が面倒になったことから、本格的にストリーミングサービスへの移行を進めています。フィジカルに拘っていながらもこうなる気はしてましたが…それでも好きなバンド、強く気に入った作品はCDで集めていきます。今後はストリーミングで聴いたものも含めて好みのものを書き残していくつもりです。

14枚の感想を書いていきます。

 

Agonize the Serpent/Through the Eyes of a Serpent

Agonize The Serpent - Home | Facebook

メタルコアバンドの新譜EP。はつきき。スウェーデン産ということで叙情を確かに感じるメロディ。それを引き立てるザクザクとしたリフに低く唸る咆哮、タイトな音像がシンプルにカッコ良い。国産のShatterSilenceを彷彿とさせます。今調べたらShatterSilenceは去年に解散してしまったようで、悲しすぎますね。3rdは見事に洗練された傑作だったのにどうして…()

Amnesia...AILDみたいなリフ、でも引き締まっていてこっちのが聴き応えあります。メロデス派にもオススメできる1曲。

 

Countless Skies/Glow

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メロデスバンドの新譜。モロにInsomniumから影響に受けている音楽性で、前作の1stからメロデサーにかなりの注目を受けていました。フォロワーで片付けるには勿体ないクオリティ。1つのアイデンティティとしてオペラボーカル、この朗々とした歌声が雄大なメロディの広がりを増長させています。ラストには3部構成の組曲「Glow」、Opethばりのプログレッシブリフからアコギを交えた静パートも聴けて面白いです。あとアートワーク、初めて見た時素晴らしすぎて椅子ごとひっくり返りました(嘘)。ジャケオブザイヤー賞を差し上げます。

Zephyr...夜空を連想させるようなメロディ、星空が煌めく広大で美しい光景が浮かび上がってきます。ラストが圧巻、胸を締め付けるようなトレモロからブラスト、突き抜くようにボーカルが響いてピアノで〆る。何度聴いても心が洗われるような気持ちになる展開です。

 

Division by Zero/Tyranny of Therapy

Division By Zero - Tyranny Of Therapy (2007, CD) | Discogs

プログデス1st。ずっと欲しかったんですが廃盤で、なかなか定価以下で買えずいたのでストリーミングで。OpethやDarkSunsを想起させるデスパートを含んだ、混沌としたダークで知的なプログメタルです。クリーンもミカエルっぽいですね、スっと入ってくる歌声で好みです。空気感で聴かせるタイプではなく、意外とキャッチーなので聴きやすいと思うんですけどね、売れなかったんでしょうか。2ndをリリース後にバンドは2013年解散、1stにしてこれだけのクオリティを誇っているのに…惜しまれます。

Incinerated Wishes…キャッチーな変拍子と、そこに乗せられる知的でダンディな歌声が洒落てます。比較的ストリートで分かりやすい楽曲。

 

Draconian/Under a Godless Veil

Smarttimes Online Store Draconian - Under A Godless Veil (Digipack ...

ゴシックドゥームバンドの新譜。voが変わって1作目の前作はゴシック寄りで音が軽く、正直消化不良感が否めませんでした。今作はゴシック感を残しつつもズシンとドゥーミーな重みを帰ってきています。前作同様にリフより女性voの歌声で聴かせる向きが強いので、即効性は弱めですかね。新ボーカルの方、外見や雰囲気は凄く好みなんですけどね~()

Lustrous Heart...一貫してスロー、荘厳で美しいゴシックドゥームが極まっています。

 

Ebonivory/The Long Dream I

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プログメタルバンド新譜。同郷のCaligula'sHorseがイチオシしていたことで知ったバンド、本当に豪州プログは宝の山です。高音の伸びがある魅力的なボーカル、Djent的なリフやデスボを使ったアプローチも見せるモダンなイケメンメタル。心に響く淡いメロディのセンスが抜群で、アートのようなサウンドスケープを生み出しています。

Hammer Street...モダンプログメタルらしいフックのあるリズム感、希望に満ち溢れている美しいサウンドスケープ。オープニングトラックとしてこれ以上無い素晴らしい楽曲です。

 

Lunatic Soul/Though Shaded Wood

Through Shaded Woods (Deluxe Edition) | Lunatic Soul | Kscope

Riversideのフロントマン、マリウスデューダによるソロプロジェクト新譜。先行公開されたシングルから素晴らしく、期待値が高かったのですが、見事にハードルを超えてくれました。LunaticSoulならではのアンビエント要素を残しながらも、マリウスの歌唱が増えて叙情力が高まっています。民謡のような雰囲気も強まっており、温もりのある秋冬プログレといった趣。個人的にRiversideに迫る勢いでこのサイドプロジェクトに惚れ込んでいます。楽器は全てマリウスによる演奏らしい、やはりこの男天才か。

Oblivion...自然の情景描写が見事。リフがナチュラルでありながらシンプルにカッコいいので、のめり込んでもBGMでもヨシ。展開に複雑なことは何も無く、安心して流れに身を任せられます。この曲に限った話では無いですが、1つ2つのアイデアから端正に曲を組み上げるセンスが凄すぎます。まじリスペクト。

 

Nicumo/Inertia

Inertia | Nicumo

ゴシックメタルバンドの新譜、はつきき。ひたすらにメランコリックな極上メロディにダンディな色気のある男性vo。ちょっとマイルド過ぎるかな~?ってところで現れるメタリックなリフとデスボが良いアクセントになってます。アルバム通して質が安定してますし、ずっと聴いてられるタイプのバンドですね。

Time Won't Heal...慟哭感のあるメロディ、哀愁にまみれたボーカルワークにぐっと惹き込まれます。暗い部屋の中、独りで聴きたい1曲。

 

Noumena/Death Walks with Me

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メロデスバンドの4th。メランコリズムの迷宮、といったイメージがアルバム通して一貫されています。硬派な叙情派メロデスに神秘的な装飾を付ける女声コーラス。民謡らしさもあり、力感が無いのでずっと聴いていられますね。

Season of Suffocation…スローテンポに響き渡る哀愁のメロディが素晴らしい。デスボも相まってアルバムの世界観が色濃く表現された貫禄の1曲。

 

Noumena/Myrrys

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5th。安定感のある哀愁溢れる楽曲群、前作より速い曲が増えてメリハリが付いたでしょうか。これまでの作品と比較して特筆するような点は特に無いですね…

Metsan viha…オープニング曲、疾走感のある普通にカッコいいメロデスやってます。土着性を持ちながらもキャッチーな耳に残るメロディがgood.

 

Noumena/Anima

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新譜7th。トラが安らかに眠るメランコリックな雰囲気のジャケアートが素敵。女性voパートが増え、スローテンポ中心の展開、ゴシック味が強いです。サウンドプロダクションが2020年の作品とは思えない悪さなのが残念です。 

Ajaton...荒涼感のあるヴァースから全盛期InFlames並の叙情メロが最高。

 

Aeternam/Al Qassam

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メロデスバンド新譜。ジャケ超カッコイイ。OrphanedLandを想起させるオリエンタルなメロディにプログレッシブな緩急のある展開、と思ったらOrphanedLandのメンバーがゲスト参加してたりします。メロデスと表現しましたが、ブラストを多様した迫力あるブルデス的アプローチも聴かれます。これでもかと詰め込まれた展開が目まぐるしく高圧力で押し寄せてくるので、聴き終えたあとの疲労感と満足感が高い作品です。

The Bringer of Rain…作中で最もメロデスらしい楽曲。突進力の強いデスパートに円熟味のあるカッコよすぎるサビのクリーンパート、どちらにも濃いメロディが詰め込まれていて中毒性が高いです。アコギを鳴らしながら壮大に高揚していく先人譲りの展開も見事。今年トップクラスのメロデスナンバー。

 

Teramaze/I Wonder

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プログレッシブメタルバンドの新譜。何度かシングルを聴いたことがありましたが、アルバムは多分はつきき。パワーメタルのように力強い歌声とメロディに惹かれます。変拍子を多用し叙情性に富みながらも、正統派な組み立てをしている印象です。美麗メタルが好きな方には今年これ以上無いレベルの作品でしょう。豪州プログの品質は本当に素晴らしい、本当にリスペクトしています。

Sleeping Man...儚さと希望をリアルに表現したようなメロディ。アレンジの質が高く、力強い歌声とともに気分が上がっていきます。

 

The Unguided/And the Battle Royale

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クリーンを交えたモダンメロデス。安定して高品質な楽曲を書き続けているバンドですが、今作はさらにメロディが強化、めちゃくちゃカッコいい。ジャケもやたらモダンらしくなり、洗練された印象を受けます。派手に導入されたキラキラシンセが耳に響く点がややマイナス。

Legendary...ノリノリなシンセと歌メロ、中毒性高いですね。ハイでヘビロテできます。

 

The Unguided/Father Shadow

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新譜。非常に良い感性を持っているフォロワーさんが絶賛してたので、試聴してこれは間違いないと。前作以上にとにかくメロディが強い、バンド一の求心力を持ったアルバムです。全曲ハイクオリティでキャッチーなので、隙あらば聴いてしまいます。サウンドプロダクションも◎。メタル新世代をリードしていってもらいたい存在です。

Crown Prince Syndrome…ミドルテンポにメロディアスに、デスボイスを含む音楽としてここまで聴きやすく仕上げている作曲のセンスが凄い。サビのクリーンでキタ-!ってなれるからすき。