2019/10 買ったCD
10月分の感想を書いていきます。
22枚、買い過ぎました。てへ。
At the Gates/To Drink From the Night Itself:89
メロデスバンドの6th。
デスラッシュバンドのイメージだったんですが、程よくミドルテンポを挟む暗黒美を感じさせる曲も多かったです。シンプルにかっこいいリフは、流石スラッシュを通ったバンドですね。
ゴシックともとれるような、疾走だけに頼らない陰鬱で退廃的な世界観がジャケット含めて統一されています。
普段聴くことの少ない、殺傷力の高い叫ぶようなスタイルのデスボイスも受け入れられました。かっこいいです。
オススメ「To Drink From the Night Itself」
Before the Dawn/Soundscape of Silence:90
メロデスバンドの5th。他のアルバムは大体揃えました。
ゴシックとメロデスの中間のような音が特徴的。激しさと耽美性が同居するコンパクトな楽曲が揃っており、聴きやすいものとなっています。中途半端と見る人もいると思いますが、僕は後継バンドのWolfheartより好みです。
ゴシック要素の強いメロデスというのは個人的にメロデスの完成形の1つと考えていて、今のAmorphisやDarkTranquillityらが当てはまります。早い段階でそれを形にしていたバンドは評価されるべきと思います。
オススメ「Dying Sun」
Be'lakor/The Frail Tide:92
メロデスバンドの1st。3rdは神盤の素晴らしいバンドです。
ずっと欲しいと思っており探したところ、バンドから直接購入できました。
この頃からメロデスの構築センスは抜群です。
陰のある叙情的なメロディも並のバンドには生み出せないもので、決してブレることのない芯を感じます。
音やそれぞれの楽曲からマイナーっぽい印象も受けますが、それが長所としてもとれるのがメロデスです。
オススメ「Tre'aste」
Be'lalor/Stone's Reach:94
メロデスバンドの2nd。1stと同時購入。
一聴してサウンドプロダクションが向上していることがわかります。
構築感のある展開にも気合が入りようが窺えます。そのこともあり、トータルタイムが前作から17分増。少々ハードルの高いプログレッシブなものとなりました。
長尺の影響か、メロディの薄さやダレを感じるパートも若干見られるのが惜しい。
1st同様にミドルテンポを中心とした叙情性重視の展開は健在で、硬派にメランコリックな楽曲が並びます。
ラストの10分越えの名曲「Countless Skies」はメロデスバンドの名前に取られたほど。
オススメ「Countless Skies」
Dark Lunacy/The Rain After The Snow:92
メロデスバンドの6th。1~3は購入済みで大変気に入っています。
4,5thはゴシック路線に舵を切ったようで評判悪いですね。この作品にもゴシックととれる退廃的で耽美な雰囲気がありますが、シンフォニックさの中に自然に溶け込んでおりクオリティは高いものです。
初期の名盤・傑作群に比べるとフックのあるリフは少なく、絶望感や勢いもありません。しかしゴシックを強めたことにより、哀メロや空気感で聴かせる要素が高まっています。結果的に方向性だけ見ればこちらの方が好みです。
このバンドのシンフォニックなメロディセンスやデスボイスとストリングスを絡めた盛り上がりは相変わらず見事ですので視点を変えれば十分に満足できる仕上がりです。
オススメ「Precious Things」
Draconian/Where Lovers Mourn:78
ゴシックメタルバンドの1st。他のアルバムは大体購入しました。
この頃から、女性ボーカルを起用しただけのゴシックバンドとは一味違う、本物の雰囲気を纏っています。
しかしいまいちピンときませんでした。雰囲気を壊す転調とらしくないノリが良すぎるリフ、メロディの質はもう2,3歩。散漫な印象を受けました。
女性ボーカルのパートが多く、ドゥーミーな荘厳さは他のアルバムに劣ります。
Ghost Brigade/Guided by Fire:89
ゴシックメタルバンドの1st。3,4は購入済、荘厳さと哀愁を織り交ぜた北欧らしいバンドです。
購入済みのアルバムと比べると、非常にスラッジーなノリの良いリフが多いです。ポストメタルからの影響も感じさせる音作りです。耽美さでは劣りますが、1stにして質が高く個人的にも気に入りました。
メロデス的な慟哭感も持っていると思いますし、独り暗い部屋で聴くのにもってこいです。
オススメ「Based on You」
Insomnium/Winter's Gate:91
メロデスバンドの7th。新譜が出るにあたって購入。
フィンランドの情景を前面に押し出したメランコリックで壮大なサウンドを生み出します。メロデス界の頂点に君臨するバンドだと思っています。
本作は1曲40分という異色のアルバムとなっており、なかなか購入を躊躇していました。
いざ聴いてみると、1曲の中に区切りのようなものが複数存在しています。歌詞カードを見ると、それぞれのパートにタイトルも付けられていますし7曲からなるアルバムという聴き方もできますね。
同じパートをしつこく繰り返す訳でもないので、普段1枚のアルバムを聴くのと近い感覚でも聴くことができました。トータルタイム40分と考えるとむしろ短い方ですし。
独自の音楽性を確立しているバンドですので、安心安定のハイクオリティメロデスを聴くことができます。
歴代のアルバムと比較すると、キャッチーさは劣りますが、彼ららしさの詰まった円熟味溢れる作品です。
Lunatic Soul/Lunatic Soul:84
プログレバンドの1st。 Riversideのフロントマン、マリウスによるソロプロジェクト。Riversideは大好きなバンドなのですが、こちらは初めてです。
Riversideっぽさも時折見られますが、違った方向からの鬱表現を聴くことができます。ギターの歪みなどは存在せず、ジャズやフォーク要素をふんだんに取り入れた多彩な音楽性。
真正プログレはあまり聴かないですしキャッチーさは少ないのでbgmとしての再生が多くなりそうですが、質の高さは確信できるものがあります。何度も繰り返し聴ける作品です。
オススメ「Summerland」
Lunatic Soul/Lunatic Soul II
プログレバンドの2nd。1stと同時購入。
前作に見られた内向的な暗さが薄くなっています。アートワークの白を基調としたシンプルで美しい楽曲。アンビエント的な要素も増えています。
気に入った曲もありますし質は変わらず高いものと思いますが、小綺麗になって私が求めているものとは離れてしまった作品です。
オススメ「Otherwhere」
Moonsorrow/V:Havitetty:79
ヴァイキングメタルバンドの5th。メランコリックさを前面に押し出した長尺曲の多いバンドですが、今作は30分+26分の2曲構成。上の中くらい狂ってます。
随所のクサメロが格好良く、展開は巧みで意外と聴き通すことができます。同じく長尺の先述のInsomniumと比べると大層で粗さがあり聴き疲れしますが。
大作のようでそうでない。と言いますか、あまりストーリー性を見出すことができませんでした。したがって根本的にここまで長尺にする意味も無いように思ってしまいました。
Novembers Doom/The Novella Reservoir:84
ドゥームメタルバンドの6th。初めて聴いたバンドです。
ジャケット含む素晴らしいアートワーク。3本の指に入るほど気に入っています。
アートワークから陰鬱な雨や曇り空をイメージさせる音楽を期待しました。実際にそれを感じさせる良曲も複数ありましたが、雰囲気を壊す曲も見られたことが残念です。
6,7分の曲が多いですが、その割に展開が少なくダレがあります。
アンダーグラウンド感を纏いながらも良好なサウンドプロダクションは個人的に好みのものでした。特に粒立ちの良いドラムは聴いていて気持ち良いです。
オススメ「Rain」
The Ocean/Heliocentric:89
ポストメタルバンドの4th。新譜から一枚ずつ遡るように後追いしてます。
唯一好きなポストメタルバンドです。毎回規格外なスケールのコンセプトを持ちます。スラッジーなギターは大迫力の一言、大音量で聴くのが最高に楽しいバンドです。
なんだか今まで聴いたアルバムと違い、曲のバリエーションが広いです。デスボイスから穏やかなノーマルボイスで使い分けるボーカル、ピアノやサックスを使用したやジャズっぽいアプローチまで。戸惑いましたが、むしろ好みの音楽性です。
プログレッシブで幅広い展開により、スケールが大きいながらアルバム通して聴きやすいものになっています。
オススメ「Firmament」
October Tide/In Splendor Below:85
デスドゥームバンドの新譜。Katatoniaの元メンバーも所属するバンドです。
簡潔に言ってしまえば初期Katatoniaをドゥームな方向に深化させた音楽性。
一貫して陰鬱で退廃的な雰囲気を纏っており、芯を感じます。しかしバリエーションが少なく盛り上がりも大きくないので(それ自体が悪いことではないですが)、アルバムに対する印象はあまり強いものではなかったです。何か物足りない、歯痒さを感じました。
ネガティブな書き方になりましたが、安定して良質なメロディと巧みな展開を聴かせてくれる良盤であることは間違いないです。
オススメ「Guided My Pulse」
Raunchy/Death Pop Romance:81
メタルコアバンドの2nd。
メロい「Phantoms」を気に入って購入。。しましたが、特に展開に惹かれず、テンションが高すぎて途中で疲れちゃいました…虚弱…笑 それでも素直にかっこいい曲は多いですし、Soilwork系が好きな人なら単体で楽しめると思います。
オススメ「Phantom」
Swallow the Sun/The Morning Never Came:94
ドゥームメタルバンドの1st。絶賛後追い中。
まずタイトルが素晴らしい。「朝は来なかった」。アートワークや各楽曲、全てがそれを指し示しています。故に完璧な統一感、一貫して真夜中を表現しています。
分かり易いメロディが多く、メロデス的な慟哭感の強い作品です。
1stにして、貫禄さえ感じさせるドゥームメタルを終始展開しています。これを最高傑作に挙げる層が一定数いるのも頷けます。
オススメ「Deadly Nightshade」
Swallow the Sun/Ghost of Loss:91
ドゥームメタルバンドの2nd。
前作に引き続きアートワークと曲全体の統一感が素晴らしい。基本スローテンポで似たり寄ったりともとれるかな?冗長感は感じずハイクオリティ。
凍り付いてしまいそうな静パート、聴き手を深い絶望に沈み落とす動パート、どちらも高品質で素晴らしいです。
これから寒くなるにつれてお世話になるでしょう。
オススメ「The Ship」
Swallow the Sun/Songs From the North I,II&III :85
ドゥームメタルバンドの6thアルバム。3枚組・2時間半の特大ボリュームな上、取り出しにくい紙ジャケのせいであまり聴き込めてないです。
商業的な音楽市場に対する、アンチテーゼのように感じました。
メンバー曰くIは憂鬱、IIは美麗、IIIは絶望を表現したとのことです。
僕個人の感想としては、IはこれまでのSTSに近い音楽性。IIはデスボイスも一切使用しないメタル色0、美麗というより癒しという印象。IIIは今までのSTSでダントツにドゥームで陰鬱です。
ディスクごとに完全に音楽性が固められおり、終始フューネラルドゥームを展開するIIIは良い意味でも悪い意味でも息苦しく感じました。3つの方向性を1枚にまとめあげたものが聴きたかったです。
3枚の中では、Iが最も再生が多くなりそうならしい出来。これまでの作品に比べ、耽美性が高まっています。
オススメ「Rooms and Bullets」
Textures/Dualisms:86
プログレメタルバンドの4th。このバンドは名前も知らなかったのですが、ハイレベルなdjentバンドですね。スラッジーでかっこいいです。
ジャケットも好み。リフも歌メロもスマートな「Reaching Home」がお気に入りです。
2年程前に解散してしまったようですが、最後の作品も評判が良いので購入迷ってます。
オススメ「Reaching Home」
Thenighttimeproject/Pale Season:96
プログレメタルバンドの2nd。Katatoniaの元メンバーも所属するバンド。
とにかくメランコリック。これに尽きます。薄暗く優しいメロディに包み込まれるようです。
穏やかで伸びのあるボーカルが好み。ミドルテンポを中心に展開し、リズムチェンジが少ないながら随所に小技を挟むドラミングも見事です。
メタラーには受けが悪そうですが、叙情的な音楽を好む穏健派にお勧めしたい作品です。この傑作、注目を受けていないのが残念でなりません。
オススメ「Final Light」
Waking Across Jupiter/Oneiroid:83
プログメタルバンドの2nd。ジャケにビビっときてバンドから直接取り寄せました。
清涼感のあるボーカルにシンフォニックな味付けが美しい、変拍子を多用したモダンなプログメタルです。Leprousの影響も受けているように思います。
気に入った曲も複数ありますが、元々インストバンドなこともあり、盛り上がりの面で物足りなさも感じました。
全体的に3,4分の曲が多いですが、音楽性を考えると、長尺でもいいので掘り下げて展開してほしいです。持っているものは良いだけに煮え切らない印象です。
次のアルバムに収録されると思われる新曲も公開されていますが、どれも深化した秀逸な出来で期待が持てます。
オススメ「Unus Multorum」
Words of Farewell/Immersion:91
メロデスバンドの1st。2,3は購入済。
モダン化したOmniumGatherum。この言葉がこれ以上無いほどピッタリなバンド。随所にモダンなセンスを見せつけながらも、叙情メロデスマジリスペクトな展開&メロディを聴かせてくれる非常に良質なバンドです。
アートワークの通りに雲海をイメージさせる開放的で浮遊感のある叙情美が素晴らしいです。
モダンさの取り込み具合も上手く、鼻につかない自然なバランスを保っています。
2,3に比べると、プログレッシブなアプローチは少なく純粋なメロデス。個性に乏しいですが、今作も好みです。
オススメ「Ever After」
以上です!
Leprousの新譜が届かなくて半死状態です。
それどころか9月のOpeth,AILDも未だ届かず。生かせてくれ…